家庭菜園初心者・簡単野菜作り

キャベツの育て方・栽培方法

多彩な品種で収穫時期が選べます。


キャベツ種類・写真1
キャベツ・写真2
サボイキャベツ・写真3

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栽培上のポイント

●まき時に合った品種を選ぶ

●水もちのよい肥沃な場所を選ぶ

●冬越し前に苗を大きくしない

キャベツの特性

西ヨーロッパの原産でハクサイ同様、暑さに弱く寒さには強い性質があり、ビタミンCを中心にビタミン、ミネラル類が豊富で栄養価の高い野菜です。一年じゅう食べられるほど品種が豊富で、春、夏、秋に種まきができますが、涼しいほうがつくりやすいので秋まきがおすすめです。

キャベツの品種

作りやすい秋まきは翌春に収穫。「四季穫」「春波」「春ひかり七号」「マルシェ」「秋蒔早生」など品種は豊富です。萎黄病抵抗性品種(YR品種)が登場して、春まきや夏まきの病気発生はかなり抑えられるようになりました。夏まき冬どりでは「彩ひかり」「湖月」「冬風」「金系201号」などがあり、早生種、中生種、晩生種を組み合わせれば、長く収穫できます。また、紫キャベツの「ネオルビー」なども出ています。春まきは生育後半に温度が上がって病害虫が発生しやすくなるので、必ず耐病性の高い品種を選ぶようにします。形状から丸玉系、寒玉系、サワー系(やわらかい生食用)と分けることもあります。

キャベツの栽培方法

春まきは発芽温度を上げる設備が必要で、結球するころに温度が上がり梅雨を迎えるため、病害虫が発生しやすくなります。

9月下旬~10月上旬、平床に5~6cm間隔ですじまきにするか、箱まきにします。薄く覆土して水やりをしたら、敷きわらやぬれ新聞紙で、発芽までの2~3日間、土が乾かないように管理します。

発芽後、わらや新聞紙をとり除き、本業が見えてきたところで、込み合った部分を間引き、2cm間隔にします。箱まきしたものは発芽から10~15日、本葉2~3枚で90cm幅の平床か3号ポリポットに植えつけ、本葉5~6枚になるまで育てます。平床は化成肥料を1㎡あたり2振り施して耕しておき、株間15cmになるように植えつけます。ポット植えは、畑土に腐葉土を2割まぜた用土に1本ずつ植え、新芽が伸びたら10日に1回、化成肥料を1つまみずつ施します。

土壌感染する病気を避けるため、アブラナ科をつくってから3~4年はあけます。水はけ、水もちのよい肥沃な場所を選んで準備します。植えつけ2週間前1㎡あたり苦土石灰を2握りくらい施してよく耕します。元肥は1㎡あたり堆肥バケツ1杯、化成肥料を2握り施してよく耕し、畝幅を早生種で50皿、中生種と晩生種は60cmにします。

株間40~45cmで苗が深植えにならないように植えつけ、北側の畝を高くします。冬越し 寒さには強いですが、苗が小さいので冬越し対策で万全に備えます。初霜のころ、敷きわらをして乾燥を抑え、笹やよしずなどの風よけを立てて寒風を避けます。

年内は、葉を10枚ぐらいにして越冬させます。この時期に追肥をして葉が育ちすぎた状態で低温にあうと、花芽分化が起こり、成長が止まって春にとう立ちしてしまうからです。そのため、秋まき春どりの追肥は、3月から2週間ごとに2~3回行うようにします。化成肥料を1株あたり1掘り施し、軽く中耕してしっかり土寄せをします。たいせつな葉が傷むことのないよう、葉が大きく広がる(結球が始まる)前までに作業をすませます。

タネまきや植えつけ時にオルトラン粒剤を土にまぜることによって初期防除を行い、生育中はハクサイと同様にBT剤を散布します。植えつけ後120~150日、4月ごろには結球が始まるので、残効の短いマラソン乳剤、DDVP乳剤で病害虫を防除します。

7月中旬~下旬、秋まきと同じ要領で種をまきます。箱まきの場合は、涼しい場所に置いて管理します。

本葉1~2枚になったら、やはり秋まきと同じように平床かポリポットに移植します。高温期なので作業中にしおれたりしないよう、手ぎわよく、根を乾かさないように行います。日よけと虫よけを兼ねて寒冷紗のトンネルをつくり、約1カ月間、本葉5~6枚になるまで育てます。乾燥が激しい時期なので、水やりをしっかり行います。

8月下旬~9月上旬、秋まきと同じ準備をした場所に植えつけます。ただし、畝幅は60cmとします。

土寄せ 植えつけ後2~3週間すると、根づいて斯葉も展開してきます。これから10日ごとに2~3回、追肥として化成肥料を1株あたり1握り施し、軽く中耕して土寄せをします。球が握りこぶし程度になるまでに、最後の追肥をすませます。

夏まきの結球は早く、植えつけ後30~40日で始まります。秋まきと同じ要領で薬剤散布をして、病害虫を防除します。

キャベツの収穫

秋まきの収穫は翌年の4~5月、夏まきはその年の10~12月ごろになります。外葉が広
がり、内側の葉が巻いて結球が始まり、1カ月ぐらいで結球がかたくなったところを、外葉をはずし包丁で切りとります。秋まきは収種が遅れると、裂球やとう立ちが起こります。

キャベツの病害虫

秋に多いべと病、冬から春に出る黒斑病が葉を枯らします。肥料過多にならないようにして、銅水和剤を散布します。土壌感染の病気は品種改良によってかなり抑えられています。軟腐病や萎黄病は発生したら、処分して拡大を抑えるほかありません。秋まきではハスモンヨトウ、春まきはアオムシが大発生することがあるので、生育中はBT剤を主体に散布します。

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