果樹栽培・ガーデニングの基本

果樹・苗木の選び方

植える木が決まったら苗木を購入します。おもに落葉果樹は晩秋に、常緑果樹は春先に、植えつけ時期に合わせて、生育状態のよいものを購入します。

苗木は接ぎ木苗を選ぶ

苗木には、実生苗、挿し木苗、取り木苗、接ぎ木苗があります。実生苗は受粉した種子から育てるため、親と同じ形質のものがなるとは限りません。また樹勢が強い幼木期が長いため、実がなるまでに長い年数がかかってしまいます。その点、接ぎ木苗は、成木になった木の枝を接ぐため、親の形質をそのまま受け継ぎ、また早くから実がなりはじめます。市販されている苗木は、ほとんどが大きく育ちすぎないように接ぎ木がしてあります。ただし、苗木のよし要しが、その後の樹木の生育に大きな影響を及ぼすので、粗悪な苗木を買わないように、苗木は信用のできる店で購入しましょう。

確かな品質の苗を購入する

例えば、種から育てた一年生台木を春先に根元から切ると、切り口付近から新しい芽が大きく伸びて、1年たつといかにも接ぎ木したかのように見えます。悪質な業者はこれを、接ぎ木苗として販売していることがあります。しかし、これは実生苗なので、実がなるまでに時間がかかり、どのような実がなるかもわかりません。台木が穂木を巻き込むように抱えているのが接ぎ木苗の特徴です。購入するときは、接ぎ木部分をしっかり確かめるようにしましょう。

良い苗の見分け方

市販されている苗木のほとんどが接ぎ木苗です。接ぎ目の部分にすきまがあると、そこから病気や害虫が入ってしまう危険性があります。接ぎ目部分が目立たず、しっかりついているものを選ぶようにしましょう。幹は太くてつやがいいものを選びます。木の皮がめくれていたり、こぶになっているものは避けます。芽は大きくてかたく、たくさんついているものを。芽と芽、葉と葉の間が短く、数が多いものは、光合成を活発に行うよい苗木です。また、太い根は、茎や瀬催支えるだけで、水分や養分を吸収しません。細根が多いこと、乾燥していないこともよい苗木のポイントです。実際に購入するときに、根を確かめることができない場合は、枝や芽、葉の状態をよく見て選びます。

常緑果樹の見分け方

良い苗木は色の濃い葉がたくさん出ていて、小根・細根も多く、幹のつやもよいです。悪い苗木は、葉に元気がなく葉色も薄くなっています。また、接ぎ木部分がこぶになっていたり、病気や害虫におかされている苗木は避けるようにしましょう。

落葉果樹の見分け方

良い苗木は幹のつやがよく、太く、充実した芽が短い間隔でついています。できればポット苗を選ぶようにしましょう。悪い苗木は幹が細長く、芽もあまりついていません。接ぎ木部分も目立ち、細根が少ないです。

苗木の購入方法

苗木を購入するときは、植えつけの時期に合わせて園芸店や植木市で求めます。落葉果樹は晩秋に、常緑果樹は春先に市販されます。苗木のよし悪しを見分けるのがむずかしい場合は、信用のある生産地からとれたものを選ぶようにしましょう。数本の苗木しか扱っていない店では、品種も正確でないことが多いので、できれば多くの苗木を扱っている店を選びます。最も無難なのは、苗木を専門に扱っている業者を利用することです。近くにいい店がない場会は、通信販売を利用する方法もあります。季節ごとに別冊でカタログを用意しているところもあるので、早めに取り寄せ、十分に検討したうえで購入するようにしましょう。