果樹栽培・ガーデニングの基本

ナツミカンの育て方・栽培方法

ミカン科

大型でやや酸味が強く、果汁が豊富なカンキツ類です。


ナツミカン・写真1
ナツミカンの花・写真2
ナツミカンの実・写真3

※画像をクリックすると拡大します

栽培上のポイント

●冬の寒風を避ける。
栽培上の適地

●関東地方南部以西の太平洋岸
栽培上の難易度

●気候が温暖であれば栽培は容易。

ナツミカンの果樹としての特徴

日本原産のカンキツ類で、ナツダイダイ、ナツカンなどともよばれます。果実は400g前後と大きく、果汁が豊富なのが特徴です。樹勢が強く、病虫害の被害も少なく毎年実をつけ、育てやすいカンキツ類ですが、耐寒性はウンシュウミカンよりやや弱く、低湿にあうと落果してしまいます。もともと酸味の強いくだものとして知られていましたが、酸味があまり強くない品種 (アマナツ=川野ナツダイダイ)がつくり出され、現在市販されているものの多くはこのアマナツです。

ナツミカンの栽培条件と品種選び

冬にマイナス3℃以下にならない条件が必要です。暖かな場所ほど味のよいものができます。品種としては、アマナツとして知られる「川野ナツダイダイ」が有名で、ほかに「紅甘夏」「新甘夏」などがあります。
 

ナツミカンの栽培方法

2月下旬ごろから苗木が市販されますが、植えつけは寒さが過ぎた3月下旬に行うとよいでしょう。

南向きで冬の冷たい風のあたらない、日だまりのような場所に植えつけます。水はけと保水性がよく、有機質に富んだやや酸性の土壌を好みます。

「主幹形仕立て」「半円形仕立て」などにします。

2~3月に冬の前刀定を行います。冬の間も実をつけている場合は、混んだ部分の間引き剪定を行うくらいにとどめ、収穫後に細かな枝を剪定します。

3月上旬、6月上旬、11月の年3回、配合肥料を施します。

自分の花粉で受粉するため、人工授粉の必要はありませんが、ミツバチなどの昆虫が飛来しないような地域では、開花した花を筆先でなでるようにすると、結実がよくなります。

夏に摘果を行いますが、冬の間に低温による落果や生理落果が多いため、それを見越して多めに果実を残すようにします。

本来初夏に熟すカンキツ類で、東京など栽培の北限に近い地域や酸味の強い普通種では5~6月に収穫します。アマナツは3~4月に収穫します。よく色づいたものからハサミを使って果柄を切り取ります。

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