果樹栽培・ガーデニングの基本

果樹の選び方

果樹は種類や品種によって一定の温度や湿度、日照などが必要です。地域の気候に合わせて、また場所の特性に合わせて、樹種を選びましょう。

地域の気候に合わせて果樹を選ぶ

サクランボ写真
果樹には、落葉果樹、常緑果樹、熱帯果樹の3種類があります。南北に細長い日本では、世界中の栄樹を楽しむことができます。しかし、樹種によって日本全国で栽培できるものもあれば、ある一定の条件が必要なものもあります。樹種によって、適地や栽培方法が異なるので、地域の気候条件に合わせて樹種を選びましょう。たとえば落葉果樹は、冬に落葉し休眠するため寒さに強く、ほとんどのものが北海道南部以南であれば栽培できます。しかし、萠芽・開花時期には耐寒性が弱まるため、開花期の早い種類は、春先の晩霜に気をつける必要があります。また、リンゴやブドウは冷涼な気候に適していますが、夏が高温で昼夜の温度差が少ない地方では、着色が進みにくくなります。日本では、とくに開花・結実期が梅雨の時期と重なりやすいため、受精不良や病害が発生しやすいことがあげられます。サクランボは成熟期に多湿になると、裂果したり落果したりするので、高温・多湿の境地には不向きです。樹種や品種を選ぶときの基本は、「適地適作」です。

果樹の特性に合った場所に植えつける

どのような果樹でも、水はけがよく、かつ一定の保水性のある土壌を好みます。しかし果樹栽培で最も大切なのは、日当たりです。日当たりが悪いと、光合成を十分に行うことができなくなってしまいます。庭植えの果樹の多くが日当たりのよい場所を好み、日当たりのよい枝には、色づきがよく甘味の強い実がなります。なかでも落葉果樹は、芽吹いてから落葉するまでの時朝に、1日の半分以上日当たりがある場所が適しています。常緑果樹は一般に耐陰性が落葉葉より強く、日当たりが多少悪くても育ちます。しかし、耐寒性は弱く、とくに冬の時期に温暖な気候を好みます。比較的日当たりの悪い場所でも育つ果樹として、カキ、イチジク、キウイフルーツ、アケビなどがあります。果樹の特性を見きわめたうえで、日当たりリ、気温、風通しを考えて植える場所を選びましょう。

庭に適した果樹を選ぶ

果樹は、高木性、低木性、つる性などに分けることができます。モモ、リンゴ、ナシなどの高木性のものは、剪定を行うことによって、大きさを抑えることができます。低木性のブルーベリーやスグリは、樹高が低いので、狭い場所でも育てることができます。また、つる怪のキウイフルーツやブドウなどは、庭木との相性もよく、小さくつくることもできるので、鉢植えとしても適しています。最近ではわい性の品種やわい性台木を利用した苗木なども出回るようになりました。これらの品種に挑戦してみるのもよいかもしれません。栽培したい栄樹や品種が、どういった種類のものなのか、あらかじめ調べてから購入するようにしましょう。

主な果樹の特性

日陰に強い果樹

カキ、イチジク、フサスグリ、キウイフルーツ、アケビ

日陰に弱い果樹

リンゴ、クリ、モモ、ナシ、スモモ、ウメ、ブドウ、ミカン

温度に強い果樹

カキ、ナシ、ブドウ、ザクロ・ブルーベリー、マルメロ

温度に弱い果樹

イチジク、モモ、ウメ、サクランボ、スモモ、アンズ、キウイフルーツ、クリ

夏の乾燥に強い果樹

モモ、スモモ、アンズ、ブドウ、ウメ、クリ、オリーブ、グ三、クルミ、カンキツ類

夏の乾燥に弱い果樹

リンゴ、ナシ、カキ、マルメロ、ブルーベリー、キウイフルーツ、カリン

20℃以上

南国果樹

15℃以上

カンキツ類、ビワ

13℃以上

甘ガキ

10℃以上

渋ガキ

9℃以上

モモ

7℃以上

ブドウ、ナシ、セイヨウナシ(15℃以下)サクランボ(14℃以下)、クリ、ウメ、スモモ

6℃以上

リンゴ(14℃以下)