家庭菜園初心者・簡単野菜作り

ニンジンの育て方・栽培方法

芽が出てきたら大切に育てます。


ジャガイモ・写真1
ニンジン・写真2
ニンジン・写真3

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栽培上のポイント

●高温期前に収穫できるように種まきをする

●土壌消毒をして完熟堆肥を施す

●覆土から発芽までは土を乾かさない
●種まきの日をメモしてとり遅れないようにする

ニンジンの特性

中央アジア、アフガニスタンあたりが原産といわれ、18~22度の涼しい気候でよく生育します。なかなか芽が出にくく、出てからもゆっくり成長しますが、その分ビタミンを中心に栄養が豊富で、カロチンは根だけでなく葉にも多く含まれます。プランターで育てられるミニニンジンを中心に、生食するための品種も出てきています。

ニンジンの品種

長根系より育てやすい短根系のほうが品種数が多く、春まき・夏まき用では「向陽二号」「時無五寸」「ベーターリッチ」、春まき用では「いなり五寸」「あすべに五寸」などがあります。ミニニンンジンでは「ピッコロ」「ベビーキャロット」のほか、丸くなる「メヌエット」も人気です。

ニンジンの栽培方法

発芽しにくい種まきを成功させることが、いちばんのポイントです。そのためには、畑の土づくりからていねいに行います。

連作障害は出にくいですが、ネコブセンチユウ(ネマトーダ)の害が出やすいので、前作の収穫後には土壌消毒しておくほうがよいでしょう。酸性土に弱いので、種まきの2週間以上前には苦土石灰を1㎡あたり2握り、元肥としでは化成肥料2握りを施して、よく耕します。このとき、土にかたまりがあると、根に障害が出ますから、堆肥は前作時に施すこととし、種まき直前に施すときは、畝間に施します。粗さは30cmぐらい耕し、幅40~50cm(長根系は60~70cm)の畝を作ります。

作りやすいのは3~4月の春まきか、9月の秋まきです。春まきは桜前線をまきどきの目安にするとよいでしょう。長根系は梅雨明け近く、土がたっぷり水分を含んでいるときにまきます。畝に深さ1cmのまき溝を2本つけ、すじまきにします。溝を埋めるように薄く覆土したら、上からしっかり押さえます。たっぷり水やりをし、発芽するまで乾かさないようにします。覆土が厚かったり、土が乾燥してしまったりすると発芽しません。わらやもみ殻などを薄く敷いて乾燥を抑えるのもよい方法です。ただし、ほかの敷きわらのように厚くしてしまうと、やはり発芽しなくなるので注意します。発芽までの10日ほどの間に雑草も生えやすいので、敷きわらにはそれを抑える効果もあります。

うまく発芽しても、その後の初期成長が順調にいかないこともあるので、間引きは少しずつ行い、やや多めに残しておきます。本葉が1~2枚出たところで、1回目の間引きをします。込み合った部分で、元気のない芽を引き抜きます。2回日は本葉5~6枚のころで、株間が10~15cmになるようにします。すでに根も伸びているので、土を掘り起こさないよう、根元を押さえて静かに引き抜きます。間引きが不十分だと根の太り具合が思わしくなく、質のよいニンジンができません。ミニニンジンの最終株間は5~8cmになるように間引きます。

間引きの際には、草木灰か化成肥料をばらばらと畝肩にまき、軽く中排をして土寄せを行います。2回目は1株1つまみを目安に畝全体にばらまき、軽く土をかけるようにして土寄せをします。肥料切れになると根が肥大しません。また、夏の乾燥が続くような日は、朝夕に水やりをします。

ニンジンの収穫

三寸ニンジンは発芽後80~90日、五寸ニンジンは100~120日、長根系は120~140日くらいが収穫時です。葉が黄色くなるほどに遅れると、根が割れる裂根になったり、かたくなったりしてしまいます。少し土を掘ると、根の太り具合が見えるので、太さを確認してから掘り出します。根元付近をつかみ、まっすぐ引き抜きます。たくさんとれたときは、いったん収穫したものを泥つきのまま、今度は首を出して斜めに埋めます。こうすると貯蔵できます。埋める場所がなければ、泥つきで新聞紙にくるんで涼しい場所においておきます。

ニンジンの病害虫

それほど病害虫で悩むことはありませんが、ようやく収穫してみたら、根にこぶができて分岐していたというネコブセンチュウは、一皮発生するとやっかいなので、しっかり対策を立てておきます。乾燥した畑や堆肥の施肥が少ないときに発生が多くなります。完熟堆肥を施してよく耕し、土壌を改良して乾燥を防いだり、マリーゴールドを輪作体系に組み入れたりしてセンチユウの密度を低下させます。薬剤ではネマトリンエース粒剤がよいでしょう。ほかに、高温期に黒く変色する黒葉枯れ病や黒斑病が発生することがあります。肥料切れに注意し、生育期間中はダイセン水和剤などを予防散布します。夏や秋の種まきは、コオロギなどが食害して枯れたりします。殺虫剤としてデナポンベイトをまいておくほか、ダイアジノン粒剤を地面にまくのも効果があります。キアゲハの幼虫は見つけしだい捕殺するか、ディプテレックスやDDVP、エルサンで防除します。

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