果樹栽培・ガーデニングの基本

果樹の管理

よい実をたくさんつけさせるために、最も大切なのは日常の管理です。日当たり、水やりだけでなく、熱帯果樹の場合は防寒にも注意が必要です。

庭植えの日当たりと風通し

ほとんどの果樹は、日当たりがよく風通しのよい場所を好みます。しかしなかには、日当たりを必要としなかったり、湿った場所でよく育つ品種もあります。庭植えの場合は、あらかじめ果樹の生育に適した場所を調べたうえで植えつけることが重要です。日当たりを好む果樹の場合、朝から夕方までよく日があたる場所が理想的ですが、そういう場所がない場合は、午前中から午後2時を目安によく日があたる場所に植えるのがポイントです。ただし、西日だけがあたるような場所は避けます。西日だけがあたると、一般に植物の生育はよくありません。西日が強い場所では、果樹の西側に覆いや囲いをして直接西日があたらないようにしましょう。また、風通しもたいへん重要な要素です。風通しが悪いと害虫や病気が発生しやすくなります。風通しがよい場所では、湿気が抑えられるだけでなく、害虫が風で飛ばされて、植物に付着しにくいため、病虫害から守ることができます。ただし、風の強い地域では、果樹を傷めないために、防風ネットを張ったり、枝をひもで固定したりする必要があります。

鉢植えの日当たりと風通し

鉢植えの特徴は、季節や昼夜によって場所を移動できることです。梅雨の季節には雨のあたらない軒下や室内に移動させたり、風通しをよくするために、鉢植えを直接地面に置かずに、コンクリートやブロック、棚の上に置いたりします。ほとんどの果樹は、日当たりのよい場所に置くことがよく生育するための第一条件です。また、台風のときには風があたらない場所に移します。熱帯果樹の場合は、一年中日当たりのよい場所で、鉢ごと日光にあてるようにします。日中ずっと日光にあてていることで、夜間でも鉢上が温かく、寒害を防ぐことにもなります。大切なことは、昼夜の温度差をできるだけ少なくすることです。昼夜の温度差が激しいと寒害を受けやすくなります。このような場合は、むしろ昼間は温度を下げるように室温を調節したり、覆いをして直射日光を避けたりして、植物全体の温度が上がりすぎないようにします。

冬期の保護について

寒風が植物にあたって、枝葉の温度が外気温より低くなると寒害を受けます。冬には、寒風があたらない場所に置くか、ビニールネットやむしろのようなもので覆いをします。さらに、屋外なら、鉢ごと土のなかに埋めると鉢土が乾燥しにくく、鉢土も冷たくならないので根の保護に役立ちます。落葉果樹の鉢は、冬は建物の南面に置いて、北風があたらないようにします。熱帯果樹は、ほとんどのものは冬期には室内か、ガラス室、温室に入れて管理しなければなりません。また、夜間だけでもビニールで鉢全体を覆うなどの工夫が必要になります。

水やりの方法

水やりは乾燥を防いで、水分と酸素を補給するだけでなく、肥料を溶かして根に栄養を吸収させる役割も果たします。また、土のなかにたまった二酸化炭素を追い出して、新しい空気を入れる役目もあります。庭植えの場合は、土が乾いたらたっぷりと水をやりましょう。ただし、雨が多い日本では、乾燥する夏以外には、あまり水やりをする必要はありません。鉢植えの場合は、鉢土の表面が白くなって乾いたら、鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと水をやります。とくに夏の水切れには注意しましょう。鉢植えは手近で栽培していることもあり、つい水をやりすぎてしまいがちですが、土が乾く前に水やりをすると根腐れを起こしてしまうので注意しましょう。また、夏期は1日1~2回を目安に早朝と夕方に水やりをします。日中の暑いときに水をやると、根や葉が傷んでしまいます。熱帯果樹に水やりをする場合は、温かい水をやりましょう。