園芸植物病害虫図鑑

立枯性病害(糸状菌病)

立枯病、茎腐病、根腐病、株腐病、苗立枯病などの土中病害

生育が悪くなり、立ったまま枯れてしまいます。


立枯病・写真1
茎腐病・写真2
株腐病・写真3

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立枯性病害の症状の特徴

下葉から黄化して立ち枯れる

それまで順調に育っていた株の下葉が黄化しはじめ、次第に元気がなくなり、やがて地上部が萎え、最終的には立ち枯れたり倒れて枯れてしまったりします。土の中の糸状菌(カビ)の一種、リゾクトニア病菌やピシュウム病菌、フザリウム菌によって起こります。地ぎわ部分は、茎の外側から茶褐色に変色して腐敗し、細くくびれたり、根が腐ったりしま
す。青枯病や萎凋病、半身萎凋病なども似たような立ち枯れ状態になります。発芽直後の苗の立ち枯れ症状を苗立枯病といいます。稚苗の地ぎわ部分が細くくびれて、折れて倒伏して枯れます。多くの植物に発生し、数日のうちに苗が全滅してしまうこともあり、とくに野菜類では防除が重要な病気となっています。

立枯性病害の対策

発病したら抜き去って焼却

生育中にこの病気が発生した場合は薬剤による治療は不可能です。病株は抜き取って、ほかへの感染を防ぐために焼却ます。

立枯性病害の予防法

予防の基本は連作をしないこと

未熟な有機物で病原菌が繁殖するので、必ず完熟堆肥を使用しましょう。また、多湿を好むので、排水をよくすることも予防に効果的です。

立枯性病害にかかりやすい植物

●ダイコン●ハクサイ●ニラ●ニンジン●ホウレンソウ●レタス●コマツナ●キャベツ●ピーマン●キュウリ●ネギ●オクラ●カーネーション●カンナ●キンギョソウ●シュッコンカスミソウ●ケイトウ●ベゴニア●スターチス●マリーゴールド●ミヤコワスレ●コスモス●ゼラニウム●デルフイ二ウム●ホウセンカ●チューリップ●スイートピー●アスター

苗立枯病にかかりやすい植物

(リゾクトエア菌)

●キャベツ●トマト●ナス●ピーマン●キュウリ●ネギ●オクラ●コマツナ●サクラソウ
●ストック●ニチニチソウ●ダリア●ヒマワリ

(ピシュウム菌)

●キュウリ●シュッコンカスミソウ●ダリア


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