家庭菜園初心者・簡単野菜作り

ハクサイの育て方・栽培方法

霜に当ててから収穫を始めます。


ハクサイ・写真1
ハクサイ・写真2
ハクサイ・写真3

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栽培上のポイント

●寒さに向かう季節が作りやすい

●耐病性のある品種を選ぶ

●種まき適期を逃さずまく
●水はけよく、元肥はたっぷりと施す

ハクサイの特性

中国北部の原産で氷点下にも耐える強さがありますが、暑さには弱く、収穫のころ15~18度ぐらいだとうまく結球します。成長が早く貯蔵ができるので、冬のビタミン供給野菜としてぜひ育てたいものです。

ハクサイの品種

耐病性が高く、結球しやすい小型の早生種が作りやすいでしょう。家庭菜園の定番となっている「耐病六十日」や「金将二号」のほか、「無双」「富風」などがあります。最近は芯が黄色くなる黄芯系の品種が多くなっています。

ハクサイの栽培方法

成長初期は20度くらい、結球するころは15度くらいというのが望ましいので、夏の終わりに種まきをして晩秋から冬に収穫するのが作りやすいでしょう。種まきがあまり遅れると、結球しにくくなります。春まきもできますが、発芽温度、生育温度を保つための保温設備とビニールトンネルが必要です。肥料切れをしても結球しないので、元肥を十分に施します。

関東付近で8月下旬~9月初旬、寒冷地は8月中旬がまきどきになります。早すぎると暑さや病害虫の発生で、遅すぎると結球する前に気温が下がりすぎて、大きくならなかったり、結球がうまくいかなかったりします。種袋に種まきから収穫までの日数が示されているので、それをもとにまきどきを決めます。

種まきの日を決めたら、2週間前に1㎡あたり苦土石灰か消石灰を2握りまき、深さ20cmぐらいでよく耕しておきます。前作からは3~4年はあけるようにします。1週間前になったら、元肥を1㎡あたり堆肥バケツ1杯、化成肥料2掘り施し幅60cmのベッド畝を作ります。水もちのよい土を好むので、水はけが悪い場所ではさらに高畝にし、生育初期から順調に成長させることがポイントです。

雨が降ったあとか、たっぷり水やりしてから種をまきます。株間40~45m間隔でビールぴんの底などを押しっけ、そこに1カ所あたり5~6粒ばらまきます。種が隠れる程度に軽く覆土して手で押さえ、水やりで落ち着かせます。育苗する場合はポリポットにまき、覆土後オルトラン粒剤の散布や寒冷紗をかけて害虫防除に努め、育苗します。育苗20日で本葉4~5枚苗に育てます。

本葉1~2枚になったら間引きを始め、本葉5~6枚までに3回の間引きで1カ所1株にします。元気のない苗や病害虫におかされた苗、小さすぎたり大きすぎたりするもの、葉の緑色が濃すぎたり、赤みがかっているもの、葉柄が細長く青っぽいもの、本葉が細く立っているものなどを間引いていきます。

成肥料を1株につき1握りほどばらまき、軽く土寄せをします。その後、2週間おきに合計2~3回施します。土寄せは根を切ったりしないよう、軽く水平にクワを入れますが、最後の追肥のころには細根がたくさん張っているので、中耕で根を傷めることのないよう、畝肩に肥料をまくだけでクワは入れません。

葉数がふえ、結球に向けて芯の葉が巻き、外側の葉がたれるようになってくると、病害虫の発生もふえてきます。べと病、白斑病などの殺菌剤を1~2回、定期散布します。結球が始まっていても散布が可能です。

11月下旬、初霜がおりたら菜を結束します。外葉で株を包み込むように丸め、上のほうをまとめてひもなどで縛ります。虫を入れないように注意しましょう。寒さが厳しいときは、北風をよけるために笹やよしずを立てたり、すっぽり新聞紙でくるんで縛っておきます。

ハクサイの収穫

12月に入ったら、タネ袋に記載された収穫日数を目安に、かたく結球しているものから切りとり収穫します。タネまきが遅いと花芽分化を起こし、葉が不足して結球しないままになってしまいます。頂部を押さえたときがっちりした感触があったら、ひもをはずして外葉を1周りはずし、株元にナイフを入れて切り離します。しっかり結球した株なら、外菓ごと新聞紙でくるみ、株元に土寄せしておけば、収穫を延ばせます。このとき、結球が不十分だと中心が腐敗してくるので注意します。また、収穫してからでも外柔ごと4~5日陰干しし、新聞紙でくるんで凍らない程度の冷暗所に置いておけば、2月ごろまで保存が可能です。

ハクサイの病害虫

アブラナ科の大敵、根こぶ病は耐病性品種を選ぶことで、かなり発生が抑えられます。しかし、土がじめじめしていると、結球するころに地ぎわから枯れ、中が腐る軟腐病が発生します。これは耐病性品種でも抵抗できないので、アブラナ科の連作と早まきを避け、水はけをよくするしかありません。白斑病も連作で起こります。害虫では、気温の高い生育初期に発生しやすく、乾燥しているとアブラムシが発生してモザイク病まで媒介します。ほかにアオムシ、ヨトウムシ、シンクイムシなどがありますが、定期的な薬剤散布で防除します。

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