家庭菜園初心者・簡単野菜作り

菜園計画

作りたい野菜をどのように組み合わせるか

多湿に比較的強い野菜

ナス、サトイモ、セロリ、タマネギ、ミツバ

多湿に弱い野菜

トマト、カボチャ、インゲン、サツマイモ、ゴボウ、ダイコン、ホウレンソウ、ネギ

強い光を必要とする野菜

ウリ類、トマト、ナス、ピーマン、トウガラシ、サツマイモ、オクラ、ブロッコリー

比較的強い光を必要とする野菜

豆類、キュウリ、カボチャ、サトイモ、ダイコン、二ンジン、ホウレンソウ、ゴボウ、カブ、スイ
ートコーン、キャベツ、セロリ、タマネギ、カリフラワー、ハクサイ

日当たりが悪くても耐える野菜

イチゴ、ショウガ、シュンギク、ネギ、ニラ、コマツナ、アスバラガス、サラダナ、レタス、エンドウ、つけ菜頬、パクチョイ、ハーブ類

弱い光を好み強い光を嫌う野菜

ミツバ、ミョウガ

連作障害の出にくい野菜

カボチャ、タマネギ、ネギ、ニンジン、ダイコン、サツマイモ、二ン二ク、ミョウガ

1年以上休んだほうがよい野菜

インゲン、カブ、キャベツ、ホウレンソウ、シュンギク、キョウナ、ミツバ

2年以上休んだほうがよい野菜

キュウリ、イチゴ、ジャガイモ、ハクサイ、レタス、サラダナ、ニラ、ショウガ、二ガウリ

3~4年以上休んだほうがよい野菜

トマト、ナス、ピーマン、トウガラシ、メロン、シロウリ、ラッカセイ、カリフラワー

4~5年以上休んだほうがよい野菜

スイカ、エンドウ、ソラマメ、サトイモ、ゴボウ

日当たりを考慮する

菜園計画
天候の悪い年に野菜の値段が高騰するのは、ほとんどの野菜が日当たりを好む証拠です。特別に白く仕上げる「軟白栽培」や日陰を好むミョウガやミツバを除き、野菜の栽培は半日以上、日が当たる場所で行います。あまり日当たりがよくない場所では、温度や水分の条件がととのえば光線が不足しても耐えられるフキなど、早春に収穫できる野菜を選ぶようにします。また、強い風が当たる場所は困りますが、風通しのある場所のほうが病害虫の発生が少なく、丈夫に育ちます。

春まきと秋まきを組み合わせた効率のよい菜園計画を立てる

家庭菜園の楽しさの一つは、少量でもいろいろな種類の野菜が収穫できることにあります。たった1坪でもトマトだけを植えれば100個、ダイコンなら30本、ニンジンなら150本程度は収穫することができます。しかし、スペースをいくつかに区切り、種類の違う野菜を作るほうが現実的といえるでしょう。いったん収穫したら、また違う野菜を作れば、さらに種類がふやせます。一定のサイクルでいくつかの野菜を繰り返し作ることを「輪作」といいます。家庭菜園では、上手く輪作のプランを立てることで、野菜作りの楽しみが大きくなります。野菜作りは大きく分けると、「春まき」で秋までに収穫するもの、「秋まき」で冬から翌年の早春までに収穫するものに分けられます。これは温度と日長(日の出から日の入りまでの時間)により、野菜ごとに成長サイクルが変わってくるからですが、同じ野菜でも春まきも秋まきもできるもの、季節を問わず育てられるものもあります。改良の結果、異なる成長サイクルを持つ品種ができたためで、野菜作りもかなり自由度が高くなってきました。また、種まきから収穫までの期間が短い「早生種」、長い「晩生種」、その中間の「中生種」もあります。土のあいた期間に合わせて、つくる品種を選ぶことができます。菜園計画を考えるときは、以上のような栽培サイクルの違いをうまく利用することで、たとえ小面積でも、たくさんの種類を効率よく育てることが可能になります。

野菜の栽培方法の特徴を考慮する

果菜類や豆類は春に種まきや植えつけを行い、夏に収穫します。実ができたら株が疲れないうちに早めに収穫します。初期段階に窒素分が多すぎると、ひょろひょろとしたり、つるぼけを起こしてなかなか実がつかなくなります。根菜類は土を深く耕し、肥料が直接、根に当たらないようにします。根が大きくなる生育後半期は葉も大きく広がります。葉茎菜類は生育期間が短く、板が浅く広く広がるものが多いのが特徴です。生育期間が長いものは途中の追肥作業が重要になり、収穫期間が長いものは、収穫中に水切れ、肥料切れさせないことが重要です。育てたい野菜が、どれだけの場所、空間を必要とし、いつ、どれだけ手間がかかるのかも考えて菜園計画を立てるようにします。

連作障害について

同じ場所で同じ野菜を続けて作ることを「連作」といいます。ところが、野菜の種類によっては、成長中に土の中の特定成分がたくさん使われた結果、次に作るときに養分不足になることがあります。自分の根から出る成分で自家中毒を起こし、生育障害があらわれる種類もあります。そして最も影響が大きいのが、ウイルスや菌、有害微生物により感染する病気が、土を介してうつることです。以上のように、連作により生育が悪化することを「連作障害」「忌地現象」といいます。連作障害がやっかいなのは、根を傷めて生育状況が悪くなるだけでなく、防ぎようのない土壌感染の病気が発生してしまうことにあります。連作障害は野菜の種類によって程度の差があり、何年も間をあけなければならない種類から、毎年続けて作っても、ほとんど影響のないものまであります。そこで、野菜作りをする際には、連作障害を避ける作付け計画を考える必要があります。広い土地があって、畑を休ませることができる場合は別として、決められたスペースに、いろいろな野菜を作りたいときは、植えつけ範囲を区切り、育てたい野菜が障害を起こさないように、毎年の育成場所、種類を決めます。連作を避けるといっても、トマトの次はナスでもキュウリでもいいというわけにはいきません。連作障害を起こしやすい野菜は、同じ科に属する野菜でも障害を起こすことが多いので、ナス科、アブラナ科などは違う科の野菜を育てるようにします。

接ぎ木苗や耐病性のある種を利用する

連作障害を避けるには、接ぎ木苗を植えるという方法もあります。接ぎ木の台木に連作障害を起こさない植物、野菜を使っているので、続けて同じ場所で同じ野菜を育てても問題が出ません。ただし、深植えをして接ぎ穂の根を出させてしまうと意味がないので、植えつけには注意が必要です。最近は、病気に強い品種改良された種も市販されています。それらは品種名に「耐病」「YR(萎黄病抵抗性)」などの名前がついています。接ぎ木苗も耐病性のあるタネも多少、割高にはなりますが、安心して育てられます。

特徴を熟知して上手な輪作計画を立てる

輪作計画
連作障害を起こしやすいのはナス科、マメ科、ウリ科、アブラナ科で、逆にニンジン、カボチャ、スイートコーン、コマツナ、サツマイモなどは、続けてつくってもまず障害が出ません。また、ネギ類は、連作障害が出にくいばかりか、土をよい状態にする効果もあり、次の野菜がつくりやすくなります。マメ科は連作できませんが、根病菌が窒素成分をつくり出すので、あとにほかの野菜をつくるには、かえって好都合です。同じ科を続けて作らないだけでなく、病害虫に弱い野菜のあとには、強健な野菜や土壌改良するような野菜を入れたりして、上手な輪作を考えましょう。