家庭菜園初心者・簡単野菜作り

ナスの育て方・栽培方法

遅く植えつける方が失敗が少ないです。


ナス・写真1
ナス・写真2
ナス・写真3

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栽培上のポイント

●ナス科作物は連作しない

●植えつけは焦らず、暖かくなってから

●肥料はたっぷり継続的に施す

ナスの特性

インド原産のナスは、まさに夏の味。和洋中を問わない万能食材として人気があります。初心者でも失敗が少なく、うまく育てれば秋まで長く収穫できるのも魅力です。

ナスの品種

寒い地域では球形の「キンチャクナス」や「小丸ナス」、関東地方は「卵形ナス」など、西日本では「中長ナス」「長ナス」が好まれるというように、地域に合った特徴ある品種が出回っています。地域を問わずつくりやすいものとしては、収穫量の多い「千両2号」「黒帝」「天命」があります。

ナスの栽培方法

日中温度が20度以上、夜間も15度を保てるような高温多湿の環境を好みます。寒さには弱いので、植えつけは気温が十分に安定してからのほうがよいでしょう。

茎が太く、節間の詰まった苗を選びます。耐病性のある接ぎ木苗は接ぎ口がなめらかで、接ぎ穂から元気のよい葉が出ているものを選びます。

連作障害を避けるため、ナス科の野菜をつくった場所なら、4~5年は間をあけます。しかし、どうしても連作になる場合は、接ぎ木苗を選びます。日当たりのよい場所を選び、植えつけの1~2週間前、水はけのよい肥沃な土に苦土石灰をすき込んでよく耕します。根が深く張るので、30cm以上は掘り返します。幅90cmの畝をつくり、溝を掘って1株あた
り堆肥と乾燥鶏ふんを各1kgと、化成肥料1握りの元肥を施します。軽くまぜてから掘った土を戻しておきます。

遅霜の心配がなくなってから、暖かい無風の日に植えつけます。地温が低いと根つきがよくないので、植えつけをあせらないことが重要です。ポリマルチをすると地温が高まり、乾燥防止にもなります。畝の中央にシャベルかクワで、株間60cmのへこみを作っておきます。このへこみに、根鉢をくずさず、やや浅植えになるように植え、周りから土を寄せるようにし、たっぷり水やりをしてなじませます。短い仮支柱を立てて安定させます。植えつけ直後はいったん、縮んでしまったように見えますが、10日もすると根が成長を始めて回復します。

ナスは肥料を好む野菜です。植えつけて1カ月もすると、結実が見られるので、油かすや魚かすなどの有機質肥料を1株あたり1握りか化成肥料を、株間にすき込んで土を寄せます。その後も、20~30日おきに畝間に追肥します。

3本仕立てにするため、1番花の下の2芽を残して伸ばします。ほかの芽は出てきたところを何度でも早めに摘みとります。接ぎ木苗は台芽もかきとります。

梅雨明け以降は土が乾かないよう、朝夕2度は水やりが必要になります。夏の乾燥は生育を極端に悪化させます。そこで、マルチングをしていない畝には、乾燥と地温上昇を防ぐため、3cmの厚さの敷きわらをします。むしろなどでもかまいません。雨のはね返りを防ぐので、病害虫防除にも役立ちます

3本仕立ての枝1本ずつに支柱を立てます。支柱を1本にするなら、主枝の1本を誘引します。

ナスの収穫

1番果と2番果は栄養を成長に回すため、摘みとります。収穫は3番果からになります。皮がかたくならないうちに若どりをしたほうが、おいしく食べられます。涼しい朝夕に、はさみで切りとり収穫します。

ナスの切り返し剪定

枝が込み合ってきたら、枝を切り落として整枝をします。日当たりが悪くなると、実の色つやが悪くなるからです。そして8月になったら、思い切った切り返し勇足で枝を更新します。剪定後は液体肥料か、油かすの腐熟液を1株あたりひしゃく2~3杯ほど追肥として施します。20~30日もすると、再び収穫ができるほどに枝が伸び、秋ナスも収穫できます。

ナスの保存法

へたつきのナス1kgを洗い、塩200gと焼きミョウバン小さじ1をまぜたものをすり込みます。容器に並べたら、赤トウガラシ2~3本をちぎって入れます。2カップの水を注いでふたをし、2kgの重しをのせます。夏は2週間に1回、容器を傾けてつけ汁を出し、煮立ててから冷ましてかけ直します。こうすることで1年はもちます。

ナスの病害虫

害虫が多いので、定期的な薬剤散布を行います。夏に葉が黄色くなるのはハダニの害。
葉裏から水やりして吹き飛ばすか薬剤散布をします。葉を食害するのはテントウムシグマシです。サイアノックスか除虫菊乳剤なら、収穫にも影響がありません。茎から侵入するのはフキノメイガですが、被害茎を切りとり処分するしかありません。青枯れ病や半身萎凋病は、土から感染するので防除は期待できません。耐病性のある接ぎ木苗を入手します。

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