家庭菜園初心者・簡単野菜作り

イチゴの育て方・栽培方法

新しい子株を出させ毎年株を更新させます。


イチゴ・写真1
イチゴ・写真2
イチゴ・写真3

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栽培上のポイント

●マルチングで土の乾燥を抑える

●毎年、子苗を新しく植えつける

●窒素肥料は控えめに

イチゴの特性

とれたてのおいしさが格別なので、プランターや鉢づくりを含め、家庭菜園で人気が衰えません。ルーツはアメリカといわれており、オランダで改良されて広まったため、和名はオランダイチゴです。厳密な意味での果実は種に見える部分で、その小さな粒の中に種があります。果肉のつもりで食べている赤い部分はじつは花托です。

イチゴの品種

東の「女峰」、西の「とよのか」といわれて久しいですが、家庭菜園では生育旺盛で作りやすい「宝交早生」がおすすめです。

イチゴの栽培方法

食べるイチゴから果実だけをとり、さらに小さな種をとり出してまくのはかなり困難です。普通は9月ごろから出回る苗を入手して植えつけます。一度植えると、翌年からは子苗ができるのでそれを利用すればよく、栽培家から子苗を譲ってもらう方法もあります。毎年、子苗を新しく植えかえ、苗を更新していくのが、よい収穫のコツです。根が浅く張るので暑さと乾燥に弱く、水もちのよい肥沃な粘質土を好みます。火山灰土や水はけのよすぎる砂質土の場所では、夏と冬の乾燥期をうまく乗り切るための、水やりと乾燥防止が成長のポイントになります。

収穫が終わった6月ごろ、親株を12mあたり2株になるように間引いて残します。化成肥料を1株あたり1握り、株間に施して軽く耕しておきます。堆肥と化成肥料を元肥にしてよく耕した畝へ、新たに植えかえてもかまいません。翌月からランナーが何本か伸び、7月には1株に30~50株の子苗がつきます。親株ではなく、この子苗を育てて収穫します。

子苗を移植する2週間前に、12mあたり堆肥バケツ2杯と化成肥料1握りを施し、よく耕して90~100cmの平床をつくります。水切れしやすくなるので高畝にはしません。

子苗が本葉2~3枚になったら、親株側のランナーを2cmつけて切り、反対側は切り落として移植床に植えます。株間は15~20cmにします。深植えすると芽が枯れるのでやや浅植えにし、十分に水やりをして落ち着かせ、乾かさないように注意して約2カ月間育てます。

夏の日ざしは強すぎるので、日中はよしずや寒冷紗で日よけをします。この段階で伸びるランナーは早めにとり除き、病害虫のもとになる枯れ葉や古菓なども除去して、いつも新薬が4~5枚開いているようにします。ハダニやアブラムシを防除するためにも、葉が込み合わないようにし、害虫が発生したら早めに駆除します。薬剤散布をするならダイシストン粒剤を土にすき込むか、7月中旬~下旬に1~2回、ケルセンを散布します。

平床は90~110cm幅、株間25~30cmで用意した苗が植えられる長さにつくります。1株あたり堆肥、腐葉土、乾燥鶏ふんを各1握りずつ施し、よく耕してから平らにならしておきます。植えつけの1~2週間前には平床の準備を終え、板が肥料焼けしないようにします。

本葉6~7枚に育てた苗を、10月中旬~下旬に平床に植えつけます。残したランナーの反対側に花房が出るので、ランナーを内側にして植えると、収穫しやすくなります。仮植えと同じく、株元の芽を埋めないように注意します。2~3週間たったら、株間に少量の化成肥料を施します。

低温・短日が進むと、苗は休眠に入り株がわい化するため、小さくなったように見えます。追肥は、液体肥料などを月に1~2回施し、生育後期まで肥効が落ちないようにします。2月中旬ころには、びっちりと敷きわらをするか、ポリマルチをかけます。この時期に乾燥させてしまうと春に回復しないので、月1回ぐらいは水やりをします。よしずやビニールで北側を囲って寒風をよけ、雪が降る地域ではビニールトンネルをかけます。

3月中旬~下旬になったら、よしずなどはずし、根元の枯れ葉やランナーなどを摘みとって整理します。化成肥料を1株に1つまみ根元に施し、軽く中耕します。

4月になると、最低でも1株に3~4本の花茎が伸び、やがて開花、結実をします。花は1茎に3~4個ずつつくので、実もそれだけつきます。ランナーも出始めますが、この時期はとり除きます。

イチゴの収穫

開花から30~40日で、実が完熟します。全体が十分に赤くなったものから、晴れた日の朝のうちに摘みとり収穫をします。雨に当たると実が傷みやすいので、梅雨に入ったらビニールトンネルをつくって雨よけにします。たくさんついて食べきれないときは、収穫せずに残しておきます。多少、熟れすぎてしまいますが、ジャムやジュースに加工すればおいしく食べることができます。

イチゴの病害虫

健全な苗を選び、枯れ葉をとり除いて風通しをよくし、敷きわらやポリマルチをしていれば、それほど病害虫にやられることはありません。まずは、それらの作業をしっかりと行います。収穫期に実が腐る灰色かび病は、スミレックスやロブラールを散布すると予防になります。根から感染して株を枯らしてしまう萎黄病は、苗選びに気をつけるしかありません。苗は信頼のおける店から入手します。実を食べるナメクジ、カタツムリには誘引剤などを使って駆除します。ハダニやアブラムシは、早めの殺虫剤散布で防除します。

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